左右内の一本スギと弘法大師

一に焼山、二にお鶴、三に太龍  と言われる四国遍路の難所。12番焼山寺、20番鶴林寺、21番太龍寺を指すが、決して体調も良くなく、果たして山奥の焼山寺に辿り着けるのかと朝早く11番の藤井寺を出発したが、徐々に天気は崩れ、霧雨の中を歩くようになった。焼山寺への山道は始め徐々に登り、偽のピークに騙された後、ようやく最初のピークに辿り着き、すぐに下り、またすぐ登り返して浄蓮庵のピークまで登り、さらにまた下って左右内の集落まで降りた後、最後の登りでようやく焼山寺に辿り着く。それぞれの標高は600から750mくらいだが、アップダウンばかり続くのでずいぶんと疲れる。行程中の最高所である浄蓮庵のピークへは霧雨に濡れてようやくたどり着いたが…

最後の階段の登り口で…

「うぉー!」思わず大声を出してしまった!ほんとうに声を出した、というか自然と出た。

階段の上に弘法大師がおられたのである。声を出した通り、本当に驚いた。

この浄蓮庵への最後の道は、つづら折りの山道を経てようやく最後の石段へたどり着くが、この石段への道が

最後に 急に右に折れ曲がっている。右を振り向いて急な石段を仰いだ途端に弘法大師がおられるのである。そしてそのすぐ後ろに左右内の一本スギと呼ばれる樹齢600年ほどの枝ぶりの見事なスギが生えている。

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もちろん弘法大師銅像だった。遍路の寺はどこにも大師の銅像があったように思う。ただ、随分と疲れてようやく霧雨の中をたどり着いた途端にあの光景に出逢うと、大師に出逢えた…と思ってしまう。多くの人があの道を辿ったはずだが、同じ思いの人がきっといるのではないかと思う。

浄蓮庵で少し休んだ後、左右内の集落まで下り、最後に辿り着いた焼山寺の境内は霧に包まれて、巨木が立ち並ぶ中、とても落ち着いた場所だった。

 

焼山寺のスギ

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焼山寺境内

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焼山寺から

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